何気ない春の風景だってレンズ越しに覗けばファンタジーの世界になっちゃう!

分かってる。もうあの場所には帰れない。それでも、僕は望む。帰りたい。あの時あの場所へ。
何気ない春の風景だってレンズ越しに覗けばファンタジーの世界になっちゃう!
葉が全て落ちきってしまっても、力強い美しさがそこには存在している。
季節が変わったことに気付くのは、いつだってニンゲンが一番遅いのだ。
守るように、まるくまぁるく咲いていく。
真ん中に咲くのは新しい葉。
かわいいベイビーたち。
まるく、まるく、まるく。
まるはかんぺき。かんぺきなせかい。
素直におしゃべり出来なくなるような。そんな瞳。
コロッセオを照らすものが、
月の光から街燈の灯りに変わろうとも。
コロッセオがそこに存在する意味は何ら変わらず。
今日もオペラの音が響き渡る。
夕日が沈んで、今日が終わって明日がくる。
終わる日と、新しい日と。
何百年も前からある斜塔と、新しいビルを作るクレーンが
同じフレームの中に存在する不思議。
住み慣れた街でも、見知らぬ街でも。
暮れる世界に何となく感傷を感じるのは何でだろう。
何も悲しくもないはずなのに。
枝に、葉の中に、神様のデザインを感じる。
規則正しさに感じる神秘性。「あり触れた」に潜む神様。